当社グループは「持続可能な社会を実現する最適化商社」をビジョンに掲げ、多様化する消費行動や様々な消費スタイルに対し、個々人そして一部の商品・サービスにおいては事業者や法人にまでその枠を広げ、インターネットを通じて最適な消費の選択肢を提供するべく事業を推進しております。
当社グループの基幹事業であるネット型リユース事業が位置するリユース市場は、その市場規模について2023年には3兆円を超え、2030年には4兆円に迫ると言われております。一方で、人口減少と高齢化が一段と進むなか、今後、90兆円分と推計されるいわゆる家庭に眠る「かくれ資産」がリユース市場に出てくるという保有資産の転換期を迎えています。当社グループはこうしたトレンドを追い風に、拡大を続けるリユース市場での当社のプレゼンスを確立することを目標としております。この目標に向け、当連結会計年度に行った取組の内容は以下のとおりであります。
①ネット型リユース事業
(個人向けリユース分野)
・個人向け商材
- 出張買取におけるコンサルティング営業(クロスバイ)の強化
- 生産性向上を目的とした各種DX施策(買取業務の一部省人化、業務へのAI導入による業務効率向上)の一層の推進
- 他社との業務提携強化による仕入・販売ルートの多様化
・中古農機具
- 地政学リスクと国内需要に鑑みた国内EC販売強化
- 山陽エリアでの農機具展示会の実施
- ショート動画を活用した集客強化
・中古自動車
- 査定ノウハウの水平展開による買取対応要員の拡大
・主要運営メディア:「高く売れるドットコムMAGAZINE」「中古農機市場UMM」「カーウルトラ」
(おいくら分野)
・査定依頼フォームのユーザビリティ改善等、リユースプラットフォームとしてのブラッシュアップ
・官民一体でのSDGsの実現(不要品の二次流通促進による廃棄物の削減および環境負荷軽減)に向けた地方自治体との連携およびその強化
・新規加盟店獲得のほかtoGビジネス獲得に向けた営業活動の実施
・主要運営メディア:「おいくらMAGAZINE」
②モバイル通信事業
・主にネット広告を通じた、ニーズにマッチしたシンプルでわかりやすい料金プランの訴求による新規回線契約獲得
・ユーザーの利用シーンと親和性が高いオプションプランの追加によるオプション付帯率の向上(回線あたり単価の向上)
・既存回線契約者に対するプラン変更(4G→5G・5GNSA→5GSA等へのアップグレード)訴求によるユーザーの回線契約期間の長期化と解約抑止
・解約時における新たな収益機会の創出(解約理由に応じた新プラン案内等)
・広告宣伝効率(CPA)の改善と併行したストック型収入を中心とするビジネスモデルへの移行
・主要運営メディア:「SIMCHANGE」「カシワン」
これらの取組の結果、売上高は26,230,401千円(前期比5.9%増)となった一方、利益面では後述するモバイル通信事業の損益悪化により、営業利益は72,564千円(前期比88.4%減)、経常利益は35,035千円(前期比94.9%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は76,471千円(前年同期は484,710千円の利益)となりました。
報告セグメントの状況
・ネット型リユース事業
当セグメントでは、販売店舗を有せずインターネットに特化したリユース品の買取及び販売に関するサービスを展開しており、当社グループの基幹事業であります。
買取においては「高く売れるドットコム」を総合買取サイトの基軸とし、商品カテゴリー別に分類された複数の買取サイトを自社で運営しております。販売において「Yahoo!オークション」をはじめ、「楽天市場」「メルカリ」など複数サイトへ同時出品し、インターネットを通じて商品を販売しております。主に「大型」「高額」「大量」といった、CtoC(個人間取引)では梱包や発送が難しい商品を取扱い、CtoBtoCというプロセスで当社が取引に介入することで、品質担保をはじめ、リユース品の売買に対して顧客に安心感を提供しております。近年ではこれらで培ったナレッジ・ノウハウを元に中古農機具や中古自動車の取扱いを開始し、農機具の一部については海外販売を展開するなど、既存事業とのシナジーを活かして商材の多様化に努めております。また、リユースプラットフォーム「おいくら」(全国のリユースショップが加盟し、売り手である一般消費者と買い手であるリユースショップをマッチングするインターネットプラットフォーム)の基盤拡充に向けた施策を行っております。
当連結会計年度の各分野における状況は、以下のとおりであります。
(個人向けリユース分野)
個人向け商材については、在庫状態の良化に努めた一方、物価高に伴う販売単価の上昇等の恩恵もあり、売上総利益ベースで増収増益となりました。
中古自動車については、期末にかけ発生したホルムズ海峡封鎖により輸出向け在庫の物流が停滞し低価格帯車両の売買が低調に推移したことから減収となったものの、当連結会計年度において回転率よりも利益率に重点を置いたオペレーション改善を進めた結果、売上総利益ベースではほぼ前期並みの利益を確保することができました。
中古農機具については、内外比率のリバランスや仕入基準の厳格化といった商流の見直しを行った結果利益率が改善したものの、売上総利益ベースで減収減益となりました。
(おいくら分野)
「おいくら」については、二次流通を促進するためユーザビリティ改善等リユースプラットフォームとしてのブラッシュアップや、官民協働でのSDGsの実現(不要品の二次流通促進による廃棄物の削減及び環境負荷軽減)に向けた地方自治体との連携およびその強化を推進し、その連携数は当連結会計年度末日現在で336自治体(前期末比73自治体の増加)となり、人口カバー率(日本の総人口に占める連携自治体の人口合計)は49.7%と、総人口の5割カバーまであと一歩となりました。こうした買取依頼件数増加のための取組みや自社オウンドメディア
を活用した加盟店獲得策を取ったことから、加盟店数および売上高は順調に推移しました。
これらの結果、売上高は13,183,368千円(前期比3.6%増)、セグメント利益は1,353,073千円(前期比29.4%増)となりました。
・モバイル通信事業
当セグメントでは、連結子会社の株式会社MEモバイルが、通信費の削減に資する低価格かつシンプルで分かりやすい通信サービスを展開しており、主力サービスとして、「カシモ(=”賢いモバイル”の略称)」というブランド名のもと、主にモバイルデータ通信のサービスを提供しております。
当連結会計年度におきましては、引き続き保有回線数拡大のための広告宣伝活動を行いましたが、当第1四半期連結会計期間において発生した広告施策の非効率解消に時間を要し新規回線の獲得数が想定を下回って推移する一方、期末にかけては回線契約の大口解約が発生するなど、ショット型収入(新規回線獲得時に一括して計上される収入)の確保に苦戦する状況が続きました。
これらの結果、売上高は12,954,048千円(前期比9.0%増)、セグメント損失は360,034千円(前期は858,636千円の利益)となりました。
なお、当セグメントにおいては、今後、契約回線数の着実な積み上げを図るとともに月額料金の値上げ改定による1回線当たり利用料金(ARPU)の改善により、ストック型収入(ユーザーとの契約期間において月ごとに計上される収入)を中心とした収益の安定化と拡大を図る方針です。