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2022.10.14

ユーザーに喜ばれるプロダクト開発のために。MEベトナムのCEOが語るアウトカムまで求める組織づくりとは

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「日本もベトナムも、どのようにゴールを達成すべきか、主体的に考えて行動するメンバーばかり」

そう語るのは、オフショア開発拠点であるMarketEnterprise Vietnam Co,Ltd.(以下、MEベトナム)のCEOに2022年10月より就任したTienだ。ベトナムで生まれ育ったTienは2007年に日本へ留学し、卒業後は日本企業に就職、その後2017年からは母国に戻りキャリアを積んできた。

そんな彼がなぜMEベトナムに入社することになったのか、また新CEOとしてMEベトナムをどう導いていくのか ―― これまでのキャリア遍歴から今後の展望について、Tienが語った。

※ベトナム語でご覧頂きたい方はこちらをご覧ください
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「フラットな組織」であることがMEベトナム入社の決め手だった

―― Tienさんは日本での留学経験があるそうですが、留学するに至った経緯や卒業後のキャリア遍歴について教えて下さい。

私はベトナムの大学に入学したのですが、1年生のときに日本政府による奨学生募集の案内を見たことが留学のキッカケでした。当時、日本の漫画を読んでいたりして日本に良い印象を抱いていましたし、アジアの中でも日本の技術力は高いと思っていたため、学ぶ環境として最適だと思っていたんです。

そこで、その奨学生募集に応募したところ無事合格することができ、2007年に日本へ来ました。来日して最初の1年間は日本語学校で学び、その後は北九州工業高等専門学校に編入しました。そして3年後に宇都宮大学に編入。IT技術を身に着けたいと思い、情報系の分野を専攻し、修士課程まで修了しました。

大学院卒業後はベトナムに帰る選択肢もあったのですが、せっかく日本に来たのだから、もっと日本でより多くの知識・経験を身につけたいと思ったんです。そこで日本で就職活動を行い、2015年に富士通へ入社しました。

富士通では開発部署に所属し、OSや各ソフトウェアのインストールの設計を行う部門で約3年間働き、2017年にベトナムへ帰国しました。

―― ベトナムに戻った理由は何ですか? またMEベトナムに出会ったキッカケを教えて下さい。

2007年に日本に来てからちょうど10年が経ったこともあり、このまま日本に残るか、ベトナムに戻るかを考えました。また、そのときには子どももいたため、どういった環境で子育てをするのがいいのかと考えたときに、自分の故郷で子どもを育てたいなと思ったことが、ベトナムへ帰ることを決意した理由でした。

ベトナムでは2社経験しまして、どちらもIT・情報系のアウトソーシング会社でした。トータルで約3年ほど働きまして、プロジェクトマネージャーや副部門長なども経験してきたのですが、アウトソーシングの会社では依頼されたものを開発しては納品するの繰り返し。

そのため、自分が関わったプロダクトがその後ユーザーに喜ばれているのかどうかがわからないことに葛藤を感じていました
そして今後の自身のキャリアを考えたときに、このままでは成長の道筋が見えないなと思い、携わるプロダクトにもっと向き合えるような、自社プロダクトを開発する企業で働きたいと思っていた中で、友人に紹介してもらったのがMEベトナムでした。

―― 様々な選択肢がある中で、最終的にMEベトナムへ入社することを決めた理由は何だったのでしょうか? また入社後、どういったことに携わってきたのか教えて下さい。

MEベトナム以外にも何社か面接を受け、1社からはオファーももらっていたのですが、MEベトナムの面接では技術的なことだけでなく、プライベートのこと含めフランクなコミュニケーションができ、とてもオープンな環境であることが良いなと感じました

またMEベトナムでは「ティール組織」と呼ばれる、上司やマネージャーがいないフラットな組織形態を採用していると聞き、そのような環境ではひとりひとりが主体性を持って取り組むことが求められますから、より自身の学びや成長に繋がる環境だと思えたことが入社の決め手でした。

そして2020年12月に入社して、最初の2ヶ月間はコミュニケーションスキルやアジャイルスキル、またプログラミングの研修など、様々な案件に入るためのベースの知識を学ぶ導入研修を受けました。
ちなみに、ベトナムではこうした導入研修を取り入れている企業は非常に珍しく、入社後はすぐに仕事を始めることが一般的であるため、MEベトナムの教育体制にはじめは驚きました。

研修後は開発チームに所属し、MEの各事業のプロジェクトのPMを担当してきた後に、開発全体を見るポジションへ。そして2022年10月にMEベトナムのCEOに就任させていただくことになりました。

入社してわずか2年弱ではありますが、ベトナムだけでなくマーケットエンタープライズは主体的にチャレンジする人にはチャンスが与えられる環境で、主体的に行動してきたからこそCEOに就任できたと思いますし、私自身の人生の大きな成長に繋がっていると感じています。

ユーザーの課題解決をビジョンに掲げ、個々が主体性を持って取り組み、成長できる環境を大切にしている

―― あらためて、MEベトナムはどういった役割を担っている会社なのか教えて下さい。

MEベトナムはマーケットエンタープライズグループのオフショア開発拠点として、2020年に設立された会社です。
そして日本にも開発チームが存在しており、ひとつのプロジェクトを日本とベトナムの両チームで協働するケースもあれば、日本だけ、ベトナムだけでひとつのプロジェクトを進めるなど、プロジェクトのアプローチは様々です。

日本の事業部側と直接コミュニケーションを取りながら進めないといけないような案件は日本チームで開発するといったことはありますが、日本チームとベトナムチームで大きな役割分担の違いは明確にはなく、プロジェクトの優先度合いやリソース状況に応じてプロジェクトの担当チームを決定して進めています。

なお、日本チームと協働するときは、オンラインで認識合わせのためのミーティングを重ね、確認事項も都度Slack上でやり取りをするなど、頻繁にコミュニケーションを取りながら進めています。

MEベトナムには日本語ができるメンバーが6名いまして、そうしたメンバーがブリッジエンジニア(※)として間に立つため、基本的にやり取りは日本語で進めています。

※MEのブリッジエンジニアは、ベトナムのエンジニアと日本のエンジニアの橋渡し役を担う。事業部のニーズを理解し、開発後のテストも行う。

―― MEベトナムではティール組織を採用されていますが、具体的にどのようにプロジェクトを推進していくのか、またティール組織を運営する上でTienさんが意識していることを教えて下さい。

まず、MEベトナムではアジャイル開発を採用しており、1プロジェクト1チーム4~5名体制で素早くリリースして効果検証を繰り返していく動き方をしています。そして上司やマネージャーがいない組織形態ですから、プロジェクトに関する意思決定はすべてチームに委ねる形でプロジェクトは進行していきます。

チーム内においても皆が同じ権限を持っている環境ですから、組織としてのビジョンがなければ、個々の意見がまとまらず、バラバラな組織になってしまうでしょう。そこで、CEOである私の役割は、皆が同じ方向を向かって進めるよう、組織にビジョンを伝えることです。

MEベトナムでは「Win-Winのビジネスを通じてユーザーの課題解決を行う主体者集団であり続ける」という企業理念を掲げ、「ユーザーの課題を解決する」というビジョンを持って動いています
そのビジョンを伝え続け、さらに課題解決思考を持って取り組めるよう研修も複数用意しています。

大きく分けると二つあり、ひとつは入社時に行うものです。会社の考え方や文化を共有したり、コミュニケーションスキル、ティール組織、リーンスタットアップ、アジャイル開発の考え方やOKRなど、全社員を対象にしています。

もう一つは、ビジョンを実現するために必要な考え方を養うものです。開発技術の研修も行うなど、定期的に行なっています。これはCEOの私やCoachがメインで行なっていますが、メンバーが主体となって開催するときもあります。

研修において大切なことはユーザー課題を深く考え、その課題を解決するために動く組織づくりをどのように実現するかということです。

もちろん、一般的な組織のように管理者がいて、メンバーは指示を受けて動くというほうが生産性は高いかもしれません。しかし、そうした動き方ではメンバーの主体性がなくなり、ストレス負荷も大きくなってしまうでしょう。
一方でフラットなティール組織では、メンバー全員が同じ権限を持っているからこそ、課題解決のためにどう動くべきかを自ら考え行動するといった主体性が求められます。そして主体性を持って働くからこそメンバーは成長し、それらのメンバーが集まった組織として成長していくことができるのだと考えています。

―― Tienさんがメンバーにビジョンを伝える上で、意識していることは何かありますか?

1on1ミーティングを行うことを大切にしています。やはりビジョンを伝えているつもりでも、間違った方向性に向かってしまっていたり、ビジョンを実現する上でどう成長していけばいいか悩んでいるメンバーもいます。

そこで1on1は、ビジョン実現に向けて各メンバーがどう成長すべきかのアイデアを生み出す場だと考えて実施しています。さらに1on1はオフィスではなくカフェで話すようにしています。これは、仕事をやっている環境を離れ、個人の成長やプライベートのことにも気軽に話せるようにするためです。

なお、「1on1の内容が評価に影響するのでは」と緊張してしまうメンバーもいますが、MEベトナムではメンバー全員でお互いクロス評価をして決めていますので、1on1が直接影響することはありません。

ユーザーに喜ばれるプロダクトをつくるために。アウトプットだけでなく、アウトカムまで求める組織を目指していく

―― あらためてTienさんが感じるMEベトナム、そしてマーケットエンタープライズグループの風土や魅力を教えて下さい。

まず、ベトナムでは現在26名体制(取材当時)で、平均年齢は29歳と歳が近いメンバーが多いことが特徴です。また、リファラルでの採用も多いため、気の知れた仲間が集まるからこそ、気軽に何でも相談できるような風土があると感じています。

また私自身、日本で就職活動をして、日本の企業にも勤めていた経験がありますが、マーケットエンタープライズは日本の会社っぽくないなと感じています(笑)。
というのも、マーケットエンタープライズは上下関係などのしがらみがなく、みんな明るく会話しやすい方々ばかり。そしてゴールやビジョンがはっきりしていて、みんな主体的になって、どのようにゴールを達成すべきかを考えて行動するメンバーが集まっています

そのため、メンバー個々として成長できる環境がありますし、メンバーの成長が事業のさらなる成長へと繋がっていきます。そうした組織の成長を中から見れることはとても魅力的だと感じています。

―― 日本およびベトナムでは、いま開発メンバーを募集しているそうですが、具体的にどういった人材を求めていますか?

マーケットエンタープライズでは自社プロダクトの開発を行っているため、開発メンバーは事業側のメンバーとのコミュニケーションを取る機会が多くあります。しかし、「事業部側はビジネスのことはわかるけれども、開発のことはわからない」ということは往々にしてあり、その逆も然りです。
その結果、両者に認識のズレが生まれてしまい、プロダクトとしてあるべき姿から離れてしまうということになりかねません。

そこで事業の背景を理解できる、ビジネスに明るいエンジニアが日本にもベトナムにも増えていくと、よりよい開発環境が整っていくのだろうなと期待していますし、そういった自社プロダクトの開発に興味がある方に入社いただければ幸いです。

―― 最後にMEベトナムのCEOとして、今後どういったことにチャレンジしていきたいのか、展望を教えて下さい。

いろいろなプロジェクトが進行していますが、根底として大切にしていることはどのプロジェクトも同じで、ユーザーに喜んで使っていただけるプロダクトをつくることです。

そのため、ただ開発して終わりではなく、開発したプロダクトがユーザーにしっかりと使ってもらえているのか、喜んでもらえているのかまでを追いかけることが大切であり、アウトプットまでではなく、アウトカムまで追いかける組織を目指しています。

そのためには、ユーザーが抱える課題をしっかりと認識する必要があり、分析などを通じてイシューを明確にし、開発以降もユーザー調査含め、効果検証を重ねていくことが求められます。そこで日本側とベトナム側での連携を強化していき、アウトカムまでを追いかける開発組織をつくっていくことが直近の我々のミッションです。

また、個人としては今後CEOとして、開発だけでなく経営者としてもレベルアップしていき、MEベトナムの成長を加速させていきたい、そう思っています。

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記事を書いた人

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